不動産投資の基礎とな るデューデリジェンス

デューデリジェンス*1(Due Diligence)を直訳すると、当然行われるべき(Due)、努力(Diligence)となります。
不動産取引の場合には、不動産の売買や証券化の際に、買い主や投資家が対象不動産を詳細に調査して、投資価値やリスクはどのくらいであるかを適正に評価することを意味します。
最近では不動産売買のときに、買い主がデューデリジェンスを実施して、事前に不動産をチェックすることは、企業間の取引ではごく自然なこととなっています。
昔は、購入した不動産に多少の瑕疵(欠陥)があっても、あまり問題にはなりませんでした。
不動産の価値が年々上昇したので、瑕疵による価値の減少よりも、値上がり益(キャピタルゲイン)の方が大きかったからです。
細かいチェックよりも、「土地を買うこと」が優先されたわけです。
しかし、現在では不動産の価値は、その不動産が生み出すキャッシュフロー(資金収支)で評価されるようになりました。
そうなると、不動産のキャッシュフローに影響を及ぼすような瑕疵があるかどうかが、大変重要な問題となってきます。
例えば、土壌汚染されている土地を購入すると、後から汚染物質の除去費用がかかってしまいます。
賃料を払わずに居座っているテナントがいると、その間の賃料収入が減りますし、強制退去させるための費用もかかります。
これらの費用をキャッシュフローの計算に入れなければ、不動産の価値を適正に算出することはできません。
従って、取引の前に不動産を詳細に調査し、その不動産が抱えるリスクや市場価値を明らかにするデューデリジェンスが求められるようになったのです。
また、不動産証券化市場の発展に伴い、個人を含めた多くの投資家が不動産投資市場に参加するようになったことも、デューデリジェンスの必要性を高めています。
投資家層が広がるということは、必ずしも不動産の専門家ではない企業や個人が、不動産投資市場に参加することを意味します。
そうした投資家のために、投資対象不動産についての適切な情報が、わかりやすい形で提供されねばなりません。
そのためには、不動産のデューデリジェンスをすることが必要不可欠となるのです。
日本にデューデリジェンスが導入されたのは、外資系企業が金融機関の不良債権処理などで積極的に活用したことがきっかけとなっています。
しかし、デューデリジェンスが急速に普及したのは、不動産市場の構造がこのように変わってきていることが背景にあることを踏まえておく必要があります。
*2

(*1) 米国の法律用語であり、もともとは証券を発行したときの情報が、証券取引法の開示基準に適合しているかどうかを、投資家保護の観点から楠査することを指していた。
(*2)日本では不動産の売買などに関して、売り主が瑕疵担保責任(売買した不動産に何か瑕疵があったときは売り主がそれを直す義務を負うこと)を負担することが原則とされている。
また、不助産仲介会社が買い主に対し、その不動産の権利関係などを調査して脱明することが義務付けられている。
こうした制度が買い主保護のために役立っているのも事実ながら、デューデリジェンスの普及によって、買い主や投資家自身が自己の責任・リスクを明確に意識して投資することが求められるようになる。

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